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素掘り

第二隧道 南側坑口
それは突然の衝撃的な出会いでした。

ぽっかりと刳り貫かれたその姿、
一見して人間が近寄れそうに無いその様子に
しばし感動して見入ってしまいました。

続々と到着するメンバーからも感嘆の声が聞かれ、
しばらく隧道を眺めながら荷物を降ろします。

枕木
この場所は橋と隧道を組み合わせていたようで、
はじめは隧道までの踏破は難しいかと思えました。

しかし、全員が橋台の脇から落ちるように沢へ降り、
飛び石で沢を越えて斜面を攀じ登ります。

また、これまでにも散見していた枕木が
橋台に乗っかるように二、三本残っていました。

内部より
橋台の見事な石積みを見ることができます。

上部に築かれた石は苔にびっしりと覆われていますが、
下部は崩落した土砂や落ち葉に表面を覆われていました。

この場所で谷底までは5〜6mくらいでしょうか?
山奥の険しい地形に鉄路が通されていたとは、
切り開いた先人に頭の下がる思いです。

第二隧道 内部
隧道は綺麗なままその姿を留めていました。

私は崩落か半分くらい土砂に坑口が覆われていると
予想していたので、遥かに状態がよく嬉しい誤算です。

固い岩盤に刳り貫かれ、掘割ではなく橋梁で
隧道を迎えていたことが幸いしたのでしょう。

開拓は難工事だったのでしょうが、
苦労した分、後世に形がしっかり残ったようです。

北側を望む
遠くから見たときは素掘り隧道が
二連になっているのかと思いましたが、
掘割の崖側が見えていたものでした。

隧道を抜けると軌道跡は右(東)に
大きくカーブしています。

周辺には、近代的な人工物の気配などなく、
野生動物の鳴き声がどこからともなく響く世界であり、
神々しささえも感じる空間でした。

北側 軌道跡
隧道の坑口付近から、パッと一見しただけですが、
今まで歩いてきた軌道跡よりも少し荒れていそうです。

この日は、メンバーの都合上日帰りだったので
第二隧道から引き返し、第一隧道を抜けて
花地区まで歩き通す予定にしていました。
ここまで予想時間より早いペースでしたが、
当初の予定通り今来た道を引き返すことにします。

少しだけ勿体無いような気がしましたが、
この先はいずれ再訪問したいと思っています。

第二隧道 北側坑口
こちらも人工物の無い全くの素掘り。

ここを走っていた森林軌道のデータを下記に。

名称:小川川林道(2級) 本線
距離:15.2km
運営:昭和20年〜昭和37年
管理:安芸市 高知営林局 安芸署
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