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コンクリ巻+煉瓦巻

内部より
高松市内方向を見ています。

隧道の閉鎖といっても、木の棒を横に引っ掛けて、
車輌の通行ができないよう最低限の施工でした。

この塩江温泉鉄道は、昭和4年に開通したものの、
戦争の影響を受けたった12年で廃止されいます。

※平成21年9月末に再訪問した際には、木造ゲートが撤去され、
ロードコーンにロードバーという簡単な閉鎖に変化しました。

待避所
鉄道隧道ゆえに待避所が設置されています。

場所打ちのコンクリートで器用に組み込まれており、
唐渡隧道内には中心部に一つだけありました。

ところでこの隧道、手持ちの資料を調べてみると
一部とはいえ、煉瓦積みで造られた隧道としては
国内で最も新しい部類になるようです。

これらが評価されて近代土木遺産に認定されました。

碍子
この路線は、最後までガソリンカー(内燃)だったので
電化されていないのですが、架線の跡が残されています。
車輌とは関係なく、保安設備などに用いられた電線か
駅間を繋ぐ電話線が通されていたのでしょう。
いかにも古臭い形の碍子でした。そして、塩江町側のアーチは
イギリス積で施工されていますが、高松側のアーチの煉瓦は
フランス積に似ているものの、雑な積み方になっていました。

最後の方は、煉瓦を適当に積んだだけの状態に驚かされます。
クソ目地になっている部分が多く、今にも崩れそうでした。

塩江町方向を望む
写真はフラッシュを焚いているので明るいのですが、
内部はとても暗く、懐中電灯が無ければ歩けません。

特に、竜満池側は水没気味になっており
濡れたくなければ長靴で訪れた方がよさそうです。
※平成21年9月末は中心より塩江町側が水没していました。

実測してきた隧道データを下記に。
昭和4年竣工(なのに煉瓦積み!)
この年、F1モナコGPが初めて開催されました。
延長61.15m、幅員4.6m、高さ4m。

塩江町側 坑口
竜満池という、ため池がそばにあります。

こちらにトンネルの案内看板が設置されており、
小学生の総合学習にて鉄道跡を巡る際には、
ここまでトンネルを歩いてくるそうです。

小さい子供にとっては、大冒険でしょうし、
地域の歴史を知るいい機会になるのでしょう。
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